ACL再建術を受けたあと、「どのくらい動かしていいの?」「トレーニングはいつから?」と不安に思う方も多いでしょう。本記事では、術後1〜2か月目に焦点を当て、回復を加速させる安全なリハビリ方法と、やってはいけない動作について詳しく解説します。
1. なぜ初期リハビリが一番重要なのか
前十字靭帯再建術後の最初の2か月は、膝関節の「基礎を作る」時期です。この期間に可動域の確保や筋肉の再教育を怠ると、後の回復スピードが遅れたり、再断裂のリスクが高まります。
逆に、この時期に焦らず丁寧にリハビリを進めることで、長期的な安定性と機能回復が格段に向上します。
2. 術後1〜2か月目の目的とゴール設定
2-1. 可動域(特に伸展)の確保
膝の伸展(まっすぐ伸ばす動作)を取り戻すことが最優先です。 伸展制限が残ると歩行・階段動作・走行などあらゆる動作に影響します。理学療法士の指導のもと、痛みの範囲でストレッチや関節可動域訓練を行いましょう。
2-2. 四頭筋の再活性化(セッティング)
手術後は大腿四頭筋(太ももの前側)が機能低下しやすくなります。 ベッド上で行うセッティング運動(膝下にタオルを入れて押し付ける)など、低負荷で確実に筋肉を再起動させることが重要です。
2-3. 炎症と腫れのコントロール
腫れや熱感が残ると関節可動域が制限され、リハビリの効果が出にくくなります。アイシングや圧迫、挙上(RICE処置)を日常的に行いましょう。
3. やってはいけない危険動作
- 急な方向転換やジャンプ
- 深いスクワット(膝の角度が90°を超える)
- 片脚ジャンプや早期ランニング
- 痛みを我慢した強引なストレッチ
この時期はまだ移植腱が骨に完全固定されておらず、強い負荷をかけると靭帯が再び損傷する危険があります。焦らず「保護期間」として考えましょう。
4. おすすめの安全なリハビリメニュー
- 足関節の底背屈運動:血流促進・腫れ防止に有効。
- 大腿四頭筋セッティング:1回10秒×10セットを目安。
- ヒップリフト:お尻と太もも裏の筋力をゆっくり回復。
- 軽い自転車エルゴメーター:理学療法士の許可があれば導入可。
5. 痛みや腫れが出たときの対処法
リハビリ中に膝の腫れや痛みが出た場合は、まずRICE処置(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)を行いましょう。 翌日まで症状が続く場合は、担当医または理学療法士に相談してください。
6. まとめ|焦らず土台を整える時期
術後1〜2か月は「焦らず・守りながら・丁寧に」進めることが最も大切です。 この時期に基礎を固めることで、次の段階(走る・跳ぶ・競技動作)への移行がスムーズになります。
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