ACL再建術後に「もう走れるから大丈夫」と思っていませんか? 実は、再断裂の多くはリハビリ後期や復帰直後に起こります。 この記事では、スポーツ復帰を安全に進めるためのフォーム改善・筋力バランス・再断裂予防のポイントを紹介します。
1. なぜ再断裂が起こるのか?
ACL再建術後の再断裂は、手術そのものの問題よりもリハビリ後半の動作の乱れが原因になることが多いです。 特に次のようなケースでは再発リスクが高まります。
- 着地や方向転換で膝が内側に崩れる(ニーイン)
- 股関節や体幹の筋力が不足している
- 左右の筋力差や動作バランスの乱れ
- 「痛みがない=治った」と判断し、早期に復帰してしまう
2. フォーム改善で膝を守る
2-1. ニーイン(膝の内側崩れ)を防ぐ
ジャンプや着地で膝が内側に入ると、ACLへの負担が急増します。 鏡を見ながら片脚スクワットを行い、膝・つま先・骨盤が一直線になるように意識しましょう。
2-2. 股関節と体幹の安定性を高める
膝の安定は股関節と体幹から生まれます。 サイドプランク、ヒップリフト、クラムシェルなどを取り入れて、身体全体で膝を支えられるようにしましょう。
3. 復帰前にチェックすべき筋力・動作
スポーツ復帰前には、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
- 筋力比:患側/健側の筋力が90%以上
- 片脚ジャンプ距離:左右差10%以内
- 方向転換動作:スピードを上げても膝のブレがない
これらをクリアして初めて、競技復帰の準備が整ったと判断できます。
4. 再断裂を防ぐトレーニング例
- ラテラルバウンス:片脚で左右にジャンプし、着地時の安定を意識
- ランジ+ツイスト:体幹と股関節の連動を高める
- ミニハードルドリル:リズムと膝コントロールを養う
- アジリティラダー:方向転換時の安定性を強化
フォームの乱れを感じた場合は、スピードよりも正確さを優先してください。
5. 復帰前の最終チェックリスト
- ✅ 膝に腫れや痛みがまったくない
- ✅ 筋力・動作評価をクリアしている
- ✅ 不安なく動ける心理状態である
- ✅ 医師・トレーナーから復帰許可が出ている
「できる動き」と「していい動き」は違います。 少しの油断が再断裂につながるため、チェックを習慣化しましょう。
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7. まとめ
ACL再建術後の最終段階では、筋力だけでなく「正しい動き方」が重要です。 焦らず、フォーム・体幹・メンタルの3つを整えて、安全に競技へ戻りましょう。


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